Computer & RF Technology

HFコンバータキットのポート特性を自作VNAで眺めてみる

過日より頒布しているHFコンバータキットですが、製作してくださった方からいろいろレポートを頂いています。「サ」さんがレポートを先日Webページとしてアップしてくださいました。なんとVNWAを製作し所有されているとのことで、VNAについて色々アドバイスを頂き、とても参考になっています。さらに大変有り難いことに、VNWAでHFコンバータを計測して結果をWebページに掲載してくださいました。VNAの測定対象としてコンバータはお手軽ですので、さっそく自分のVNAの結果と比較してみることにしました。

製作していたVNAは、しばらく放置してしまっていましたが、最近ようやくGUIの作業が少しづつ進んで、ぼちぼち動作するようになってきましたので、何か測定するネタとして、キットとして配布したHFコンバータの入出力ポートの特性はお手軽です。VNAのつもりですが、まだ測定器とは言えませんので、タイトルにあるように眺めて観ただけです。

測定対象は、キットとして配布していたHFコンバータ(v1.2)です。オプションとしてリレーを実装しています。VNAとの接続はMale-MaleのSMAアダプタで直結しています。校正は写真にあるショートプラグと50Ωターミネータで、SMAアダプタの手前でSOL法で行っています。今回はS11の計測のみです。本当ならS21も観てみたいのですが、残念ながらまだ実装できていません。

まず出力ポートのS11特性です。リファレンスとなるVNWAの結果で上記Webより引用です。VNWAは、一つの画面でいくつもの測定結果が表示できて一覧性が良いですね。

以下は自作しているVNAの測定画面です。スミスチャート、反射特性、位相特性のスクリーンキャプチャです。

スミスチャートと位相特性のカーブは、予想以上に良く似た結果が得られています。出力ポートは100MHzのHPFが入っていますので、そのあたりで反射が大きく動いて、位相が回り、阻止域では全反射になっているのがわかります。

次は入力ポートのS11です。まずはVNWAによる測定結果です。

続いて自作VNAのスミスチャート、反射特性、位相特性です。

こちらも、スミスチャートのカーブや位相特性のカーブはVNWAの結果と近い結果です。コブの位置や大きさなどもかなり似ています。LPFのカットオフが40MHzですので、そのあたりに特徴が出ています。

周波数が0-200MHzと比較的低いので、違いが目立たなかったのかもしれませんが、思いのほか近い結果が得られたので安心しました。

GUIはまだ試行錯誤中です。以前書いたようにMac OSXで、wxPythonとmatplotlib、scikit-rf、gnuradioを使って実装しています。思うように実装が進まず足踏み状態でしたが、ようやく校正操作ができるようになり、それなりに作業が可能になってきました。クロスカーソルを付けて数値を読めるようにしてみたりしています。

課題ですが、まだS21の操作と校正ができていません。VNWAの結果にはインピーダンスのカーブも表示されていますが、まだ自作GUIにその機能がありませんので比較できませんでした。目盛の表示が寂しいのでなんとかしたいところです。VNWAのように一覧性良くしたいところです。これらについても、おいおい実装していきたいと思います。

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