Computer & RF Technology

gqrxの新しいバージョン2.2をMac OSXで試してみる

これまでMacで動作するSDRソフトウェアとしてgqrxを使用してきました。以前の記事で書いたように一度Mac用に移植を試みたもののあっさり挫折し、Dekarさんのblogで配布されていたMac用バイナリを愛用していました。

現在は公式サイトが用意され、しかもソースコードやLinux用バイナリの他、Mac用のバイナリも公式に配布されているようです。今回これを試してみました。

公式サイト https://gqrx.dk/ からDownloadページを開き、Gqrx for Mac OS Xをダウンロードします。gqrx-2.2.0.dmg を開きます。

news.txtを読んでみると、2.2.0では、

  • gnuradio 3.7ベースの実装となった
  • HackRFのサポートした
  • FunCube Dongle Pro+をサポートした
  • Qt5をサポートした

等の変更があるようです。昨年8月に既にリリースされていたようでした。うかつにも気がついていませんでした。

中にあるGqrxをApplicationsフォルダ等にコピーして、インストールは完了です。

さっそくダブルクリックして起動します。起動するとデバイスを選択する画面が表示されます。

接続されているデバイスが認識され、選択肢に表示されています。gqrxの起動前にRTLドングルを接続しておくことがお勧めです。

メイン画面です。

これまで使っていたバージョン0.3と比べて、見た目に大きな変化はありません。

ところがチューニングの動作に若干違いがあるようです。右に表示されているオフセットの周波数を動かすと、左に表示されているメインの周波数が連動して変化するようになっています。受信している周波数がそのまま表示されるので一見便利なように見えます。

以前は、左はチューナの周波数で、右のオフセットの周波数とは独立していました。チューナの周波数を固定しながら、チューニングは右のオフセットを動かすことで使っていました。ちょっとした違いのように見えますが、これまで慣れてきたオペレーションと違い、いちいちオフセットをゼロに戻さないと、チューナの周波数を狙った数値に指定できません。慣れの問題かもしれませんが、かなり戸惑います。

以下はHFコンバータを使用して、747kHzのAM放送を受信している様子です。

困った点として、FFTのズームの方法が不明です。微妙なチューニングや狭いバンドの観察には、ズームして拡大することで使用していたのですが、以前あったFFTでのズームスライダーが見当たりません。これはちょっと残念です。

その他DCキャンセルやIQバランス機能が利用できるようになっているのは良い点です。ただしR820Tを使用したRTLドングルの場合は、Low IFでの動作なのでこれらの効果はありません。

以上2.2を無事に使うことができました。実はソースを確認するとバージョン2.2ではbladeRFがサポートされているようなのです。これを期待して新しいバージョンを試してみたのですが、残念ながらバイナリで配布されているgqrxではbladeRFはサポートされていないようなのです。bladeRFをgqrxで動作させるためには、ソースからビルドする必要があるようですので、次回はそれを試してみたいと思います。

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