HFアップコンバータキット第3弾の準備を進めています。今回は若干の基板レイアウト変更があります。簡単に変更点と状況を記しておきたいと思います。
1. 基板取り付け穴の位置
タカチのTW5-2-7という小型で安価なプラケースがあることを教えて頂きました。内部にはビスで基板が取り付けられるようにボスが用意されており、これが使えるように穴の位置を変更してみました。
2. ソルダージャンパの配置
このコンバータでは、DBMのRF/IFを入れ換えて使用しています。これを元に戻しても使えるようにソルダージャンバーを用意してありましたが、パターンがDBMの下にあったので、切り替えが容易ではありませんでした。このソルダージャンパーを基板の裏面も使うことで、DBMを外さずとも切り替えられるようにしてみました。
3. GNDパターンの整理
DBMの下部は推薦パターンのようにGND面にしました。信号のリターンが基板裏面とスルーホールを経由しなくなったので、ちょっとすっきりしました。
4. その他
USBコネクタの小穴が渋かったので少し大きくするなどの小変更しています。またSMAコネクタのGNDパタンがピンと合っていなかったのを修正しています。
基板の厚みについて1.2mmから1.6mmに変更を考えたのですが、1.6mmだとSMAコネクタがぎりぎり入らないことが判ったので、入らないより緩いほうが良いと思いましたので、1.2mmのままにしています。
上記変更を行い、ガーバーを作成、SeeedStudioに発注しました。前回に比べて送料が値上がりしていました。円安と合わせて少々残念です。
- 4/22発注
- 4/26出荷
- 5/3成田到着
- 5/7通関
- 5/9到着するも不在
- 5/10受領
今回は18日かかりました。GWで通関が数日遅れたようです。
若干とはいえ変更がありますので、試作は必要です。さくっと作ってみました。
今回は無事に一発でOKでした。
裏面のソルダージャンパーはこんな感じです。表面のジャンパを2カ所切断して、裏面のジャンパーを接続することで、DBMのIF/RFを入れ換える(正規の使い方に戻す)ことができます。
試作OKだったのでキットの準備をしたいと思います。マニュアルの改訂とパッキングの準備ができ次第ごお申し込み頂いていた方にはご連絡さし上げる予定です。またいくつか完成品が手元にあるので、若干数ですが完成品も頒布したいと考えています。ご希望があればお知らせ下さい。
これまで作ったコンバータを並べてみました。3代にわたって微妙に改良を続けてきました。レポート下さった皆様にお礼申し上げます。今後も機会があれば改善していきたいと思いますので、引き続きご意見お待ちしています。
さて、VNAやループアンテナについて書いている途中でしたが、前回の記事からはちょっと間が空いてしまいました。ループアンテナは天候不順が続いて屋外への設置をしないまま放置になっています。またVNAのほうはpythonベースでGUIの実装に取りかかっており、ある程度は動いているのですが、キリの良い満足なところまで実装できていません。追ってまとめたいと思います。それからこれは予告ですが、PLLシンセサイザ(ADF4351)基板も平行して作業しています。もし成功したらご報告したいと思います。
リファレンス
- タカチのプラケース TW5-2-7 https://www.takachi-el.co.jp/data/a_newproduct/images/201104_01.pdf
- pupさんのブログ: https://pup.doorblog.jp/archives/24724285.html
- https://pup.doorblog.jp/archives/24932649.html#comments
- mini circuits ADE-1データシート 推薦基板パターンhttps://www.minicircuits.com/pdfs/ADE-1.pdf
- 基板の製造: SeeedStudio https://www.seeedstudio.com/depot/