gqrxというGUI付きのSDRソフトウェアがあるとのことなので、試してみることにしました。ところがソースをダウンロードしてビルドしようとしたのですが、OSXには無いlibpulseが必要とのことで引っかかっていました。ググってみたところ、なんとMac OS用にポーティングしビルド済みのバイナリがDekarさんのblogで配布されていました。これを試してみたところなんとも簡単にRTLドングルを使っていろいろ受信することができましたので、紹介したいと思います。
https://dekar.wc3edit.net/2012/09/30/osx-port-of-the-awesome-gqrx-sdr-software/
ページ中程にあるqgrx_4.dmg(ディスクイメージ)をダウンロードして開くとアプリが入っています。これをアプリケーションフォルダ等お好きな場所にコピーするだけです。ドライバも何も入れる必要はありません。
ダブルクリックしてgqrxを起動すると、デバイスの選択と設定をするダイアログが出てきます。
見覚えのある設定があります。デフォルトのまままたは適宜設定してOKを押すとメインウインドウが出てきます。
左上の電源アイコンのボタンを押すと、動作開始します。144MHzを受信してみたところです。
左上の表示がLoの周波数で、これがドングルに設定されます。受信周波数は、右に表示されている周波数をLoに加えたものになります。どちらの数字も調整することができます。数字をクリックしてからカーソルキーで上下を押すとその桁の数字を変更できるので、チャネル変更操作するならこうするのが簡単です。もちろんFFTウインドウの上でマウスでチューニングすることも可能です。
モードもNarrow FMの他、Wide FMやLSB, USB等々あります。AGCやスケルチ、NBなども一応揃っています。
これまでMacでGNURadioではウォーターフォールが動いていなかったのですが、gqrxは動作しています。
音声が出てくるのがちょっと遅い気がします。それから動作がちょっと不安定で時々固まります。
FM放送を受信してみます。ちょっとノイズっぽいですがちゃんと受信できます。stereoモードもあります。ちゃんとステレオになりました。
ダイレクトサンプリングで7MHzを受信してみました。
デバイスの設定画面には、見覚えのあるosmosdrのrtl-sdrのパラメータがありましたので、そこにdirect_samp=1を付け加えます。
動作させてみるとこんな感じです。
数字の桁をカーソルキーで操作するのは、微調整もできてなかなか良い感じです。ゼロインしやすいです。SDRソフトウェアでは一般的な操作方法なのでしょうか。
同様にダイレクトサンプリングでAM放送受信。
幅の太い線はFMラジオの混信です。GNURadioで実験したときと同様です。
以上のようにとても簡単に使うことができました。前に書いたようにGNURadioをMacOSXで使うにはそれなりの手間が必要でしたが、単にSDRで受信したいのであればgqrxを使うのがシンプルで良いと思います。
gqrxのGUIはQtで構成されているようです。pythonのライブラリなど必要なモジュールはすべてアプリに統合されていますので、インストールがとても簡単で依存関係を気にしなくても大丈夫です。GNURadioで単独のアプリを構築したいと考えていましたので、とても参考になりそうです。