初めての海外のメイカーフェアということで、中国は深圳市で2017/11/10-12に開催されたMaker Faire Shenzhenに行ってきました。こちらではRF関連のみ紹介します。
深圳市で開催されるMaker Faireとしては4回目。主催はSeeedStudio、そして柴火創客というハッカースペースです。今年は深圳職業技術学院の学校敷地内で催されました。屋外にテントを張っての開放的な展示です。日本からの展示も多く来ていました。
学校での開催ということもあってか、訪れる見学客は若い方、しかも女の子が多い印象です。日本からの出展はおじさんが多いことと対照的でした。
今回は金沢大学の秋田先生のMakeLSIが出展されるということで、前にMakeLSIに参加して作ったリングオシレータも一緒に展示ということで混ぜてもらいました。メンバーは学生4人と一緒です。
リングオシレータの出力(35MHz前後)を、自作受信機(CentSDR)でスペクトラム表示している様子です。FM復調できるように受信機を改造していったのですがその説明は無し。
会場で見かけた、RF的におっと思った展示がこちら。
キャビティのBPFを、ロボットでネジを回して調整するという展示です。
初日は稼働していなかったのですが、翌日からは機材が設置されて動作していました。横にネットアナが置いてあります(wktk)。
ネットワークアナライザ(Keysight E5061B)でBPFを自動測定して、
その結果から、自作のソフトウェアのAIでロボットを稼働して調整という展示です。見にくいですが画面下にネジの位置が表示されています。
展示の趣旨は、製造現場に必要な熟練作業を機械に置き換えるということでした。その例として、キャビティBPFを使ったということのようです。この選択は、なかなかやるなって感じでした。たしかに、BPFの調整は科学ではなく職人技能の世界と言われるくらいですし、調整のフィードバックループを回しやすいので面白い題材です。
展示されていたのはRFエンジニアの方で、お話を伺うと日本の某部品メーカーで働いていたことがあるそうです。MakerFaireでVNAを見かけるとは思いませんでした。展示はしていなかったのですが、NanoVNAを持参していたのでその場で見せて自慢してきました。
別のブースに、無線モジュールをメインの展示がありました。
そのアンテナ。
話を聞くことができませんでしたが、IR-Boxというおそらくは赤外線リモコンの展示がありました。SIMと一緒に置いてあるので、ちゃんと通信回線も統合されているのかもしれません。
あとは、ワイヤレス給電の展示。大きなコイルでワイヤレス電力伝送して、電球やLEDを光らせたり、
磁気浮上(Magnetic Levitation)と組み合わせて、浮いたオブジェを光らせたりしていました。
今回は日程の都合もあり、深圳の見学ツアーには参加できませんでした。その代わり、会期中にあった日本からの見学者のパーティーには参加。100人以上が集まったそうです。現場はカオスでした。
こちらはネコミミで有名な高須さんに、ElecrowのJarvanとDavid。
Elecrowのツイッター@Elecrow1はJarvanがやっているみたいです。
@edy555 It is great to see you in the Japanese maker party.😀😀😀 pic.twitter.com/mjrVN7VZTm
— Elecrow (@Elecrow1) 2017年11月11日
ちょっとだけ華強北(ファーチャンベイ)の電子城も見てきました。店のブースの中で手工業生産が行われ、その場で世界中から注文を受け、出荷作業をし、
同時にその場で子育ても行われていました。ある意味英才教育なわけです。
あともう一点、今回のMFSZ2017では、MakeLSIがブルーリボンを受賞しました。面白い取り組みとして評価していただけたようです。Congrats!
今回は移動に香港エクスプレスを使ってみました。成田香港往復で1.8万円ちょいでした。気軽に出かけられるお値段ですね。(私の場合はさらに北海道往復があるのですが)
次回はもうちょっとゆっくりと行きたいです。