Computer & RF Technology

ADS-B用にフィルタとプリアンプを作って、アンテナと共に屋外に設置してみる

ADS-Bの続きです。以前よりADS-Bの受信系の改善を目的として、SAWフィルタとプリアンプのための基板を用意していました。遅ばせながら先日ようやく製作しました。

SAWフィルタは50Ωがそのまま直結できて、とても安直に使えます。ただしハンダ付けは少々しにくいです。アンプもいつも使っている手持ちのゲインブロックで24dB程度のゲインがあります。LNAにするにはもうすこしNFが良好であってほしいところですが、とりあえずこれでいきます。こちらはSC-70という0.65mmピッチなので外形が小さく、少々ハンダ付けしにくいです。あとは3.3Vの電源レギュレータを付けてできあがりです。4-12Vくらいを供給して使います。特性は後日提示したいと思いますが、トータルでゲインは+22dBくらい。バンド幅は意外と広く40MHzくらいありました。

さっそく実地で試してみます。アンテナはまだちゃんと作っていないので、RTLドングルに付属のものです。屋根の上にPC(MBA)を持って上がって試しました。プリアンプの電源はUSBから取っています。

受信実験ですが、プリアンプ無しの状態だと、津軽海峡あたりが限界でした。直線距離にして200km強くらい。

プリアンプを挿入すると、もう少し伸びて日本海は青森県深浦町沖あたりまで受信することができました。270km強くらいに伸びました。

ちょっとの観察ですが効果はあるようです。

一応プリアンプが使えることがわかったので、屋外設置の準備をすることにしました。配線ですが、同軸ではなくUSBケーブルを屋根から屋内に引き入れることにしました。これなら安価で済みますし損失もありません。すなわちドングルを屋外設置することになります。ちょっと長めのケーブルを500円強で買ってきました。

防水ケースとして、3個で100円のタッパーを使います。これにドングルとプリアンプを入れます。ケースは耐候性には欠けると思いますが実験なので気にしません。

タッパーにケーブルを通す穴を空け、ハードディスクから取り出したネオジム磁石を入れてホットボンドで固定しておきます。自宅外壁がガルバリウム鋼板なので磁石でケースを固定できてとても便利です。

ケースにドングルとプリアンプを納めます。プリアンプの電源は、ドングルの基板からUSBの5Vを直接取り出しました。本当は3.3Vを取り出す方が安全なのですが、プリアンプ基板にレギュレータを入れてしまったのでやむを得ません。それから、ケーブルとケースに隙間があるので防水処理のため自己融着テープを用意しています。

組み上がったら一度テストします。うまく動いているようです。

こんな感じに設置しました。直射日光を少しでも避けようと方角は北側にしました。アンテナはマグネットベースでトタン屋根に貼付けるだけです。プリアンプとドングルのケースは軒下の引っ込んだ位置に、これもマグネットで貼付けます。ケースに防水はしていますが、雨滴が内部に入らないよう、ケーブルを丸めて固定し、開口部は下向きにしておきます。

ケーブルは、窓枠に挟んで屋内に引き込みます。この状態でちゃんと鍵もかかります。これで屋内からいつでもADS-B受信の実験ができるようになりました。

プリアンプについては、いくつか改善したい点はありますが、とりあえずβ版として若干数をキット頒布しようと考えています(7個予定)。用意ができたらアナウンスしたいと思います。なるべくWebでレポートしていただける方を優先したいと思います。ご希望等、コメント等をお寄せください。

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