Computer & RF Technology

RTLSDRドングル用HFコンバータの設計メモ

先日製作したHFコンバータの設計メモです。

  • ローカルは水晶モジュール f = 100MHz
  • LPF fc = 40MHz
  • HPF fc = 100MHz
  • 電源 5V 60mA (USB mini B) 

回路図に定数を入れました。(pdfファイル)

フィルタの定数はシミュレータで検討しました。ソフトはAnsoft Designer SV、以前はフリーで配布されていたのですが、最近は無くなってしまったようです。

LPFはシンプルに5次チェビシェフです。チップインダクタとコンデンサを並べただけです。

HPFも同様に5次のチェビシェフ。

使用しない時はコンバータをスルーできるようにリレーを入れられるようにしました。電源スイッチ付きのUSBハブを使うと、簡単に切り替えることができます。

リレーを実装した基板です。

リレーとコネクタの繋ぎ方で、3種類の使い方をジャンパで設定します。

  • リレー無し →  SJ2 2-3、SJ4 2-3
  • リレー有り・スルー → SJ1 1-2、SJ2 1-2、SJ4 1-2
  • リレー有り・VHF-HF切替 → SJ3 2-3、SJ2 2-3、SJ4 1-2

とはいえUHF以上では、ジャンパやリレーなど余分な経路がロスになりますのでVHF程度が目安だと思われます。ADS-Bなどの目的には併用しないほうが良いと思います。

低い周波数まで利用できるように、DBMはIFを入力に、RFを出力に使用しています。おかげでMFまで十分に感度があります。注意しなければならないのが、DBMのダイオードがアンテナに直結されている状態となりますので、静電気による破壊が生じる可能性があります。実際、一度壊してしまいました。常用するのであれば入力側になんらかの対策が必要です。

下のスクリーンショットはコンバータによるMFの放送波受信の様子です。札幌の放送波は、576kHz, 747kHz, 1287kHz, 1440kHzの4波です。NHKラジオ第2(747kHz)の電波が強力なのがわかります。100MHzのLoの漏れがAM放送波と同程度になっているのが見て取れると思います。

その他メモ

  • Loは+10dBm程度入れていますが、DBMのアイソレーションが30dBあるとすると-20dBm程度の漏れが生じています。この漏れによる抑圧が発生してしまうようです。トラップを入れたほうが良いかもしれません。ノッチに落ちるようフィルタを設計できないか検討しましたがちょっと難しそうでした。
  • フィルタ特性はシミュレーションしただけの作りっぱなしですが、できれば実測してみたいところです
  • 自宅では、7MHzと144MHzのアンテナをダイプレクサで同軸を共用しています。なのでこのコンバータに直結で切り替えて使うことができています。
  • 頒布の予告をしたキットの準備ですが、現在部品の到着待ちです。近日中にアナウンスしたいと思います。
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