Computer & RF Technology

RTLSDRドングルのダイレクトサンプリングで7MHzのアマチュア無線を受信する

RTL2832Uドングルを改造することでHFやMFを受信することができます。ドングルに載っているチューナチップをバイパスしてRTL2832Uチップに直接アンテナからの信号を入力して受信します。これをダイレクトサンプリングと呼んでいます。

元の原典は下記のようです。クロアチア語で改造の仕方などが書いてあります。

若干の部品と改造作業は必要ですが、RTL2832Uドングルを使用してHFの受信が可能となります。ここでは改めて7MHzの受信について書いてみます(写真は一部使い回しです)。

まず改造についてですが、ドングルにバランを付加します。まずはトランスですが、3本のポリウレタン線を撚って、小型のメガネコアにトリファイラで5ターン巻きました。3本のうちの2本を直列に接続して、巻数比1:2のコンベンショナル型のトランスとし、インピーダンス比50Ω:200Ωで使います。

直列につないだほう(200Ω側)を、RTL2832Uの1pinと2pinに接続します。1005(1mmx0.5mm)のチップコンデンサがバランス信号として隣り合って並んでいますので、ここに信号を入れます。

トランスのもう一方にコネクタを接続して、アンテナに接続します。

つづいてソフトウェアの方ですが、gqrxを例に説明します。RTL2832Uに対応したSDRソフトウェアウェアもあるようです。

メニューからI/O Devicesの設定画面を開きダイレクトサンプリングで使用するためのパラメータを指定します。gqrxやgnuradioではDevice stringに、direct_samp=1 を追記します。この指定方法はlibrtlを使用しているソフトウェアに共通しています。

Startボタンを押すと動作を開始します。ModeをLSBにして、マウスカーソルまたは数値を入力してチューニングします。

gnuradioで受信することもできます。こちらの記事(下記リンク)を参考にしてください。フローグラフは

こちら

にあります。

以下はメモです。

  • RTL2832Uのダイレクトサンプリングでは、28.8MHzの整数倍の前後の周波数を入力としてイメージが現れることに注意が必要です。RTL2832UのA/Dの帯域幅はとても広く、平気でUHFまで入力できてしまいます。特にFM放送の混信が強力に入りますので、目的のバンドに合わせてフィルタを用意したほうが良いと思います。
  • 当初ダイレクトサンプリングについて詳しい資料が見つからず、本当に受信できるのか半信半疑でした。が、実際にやってみて、イメージの出方などを見て動作原理が理解できました。ダイレクトサンプリングとは、入力信号を28.8MHzの一定の周波数でサンプリングしたあと、周波数変換とデシメーション(またはリサンプル)をDSPで行い、USB経由でデータを取り出しているようです。なので、イメージが28.8MHzの整数倍になるわけです。IFを自由に設定できるのと、USBから取り出すサンプリングレートが自在に変更可能なのは、それらの処理が数値処理で実装されていることが理由のようです。

RTL2832Uドングルを使用してHFを受信するには、コンバータによる方法もあります。こちらも近いうちに実験予定ですので、改めて書きたいと思います。

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